柔道整復師になんてならなきゃよかった。僕は詐欺師。。。

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こんにちは、ヘルサポの嶋田です。

 今回のブログはタイトル通り「柔道整復師」の資格を取得して後悔していることをお話しようと思います。基本的に超ネガティブな内容ですのでご容赦ください!笑

 巷で「鍼灸師なんてならなっきゃよかった」という本が密かに業界内で人気になっているということを小耳に挟んだので、私も柔道整復師なんてならなっきゃよかったと心の底から思っているのでその理由をお話しようと思います!(笑)

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柔道整復師になるまで

 私は高校を卒業後、柔道整復師を目指すべく専門学校に入学しました。当時、柔道整復師になるためには全国で14校(殆どが専門学校)しかない養成学校に入学することが必要でした。全国に14校しかない超レアな学校でしたので入学するのは本当に大変でした。高校の成績があまりよくなかった私の場合は入学するために推薦が必要とのことで、当時在籍していた高校(東○大学の附属高校)から推薦を出してもらうために、わざわざ親が本部である大学までいき大学の偉い人(柔道関係者)に推薦をもらうためにお金を渡して推薦枠をもらい柔道整復師の専門学校に入学しました。

 なぜ、そこまでして入学したのかというと、当時(30年前)は現在のように街の至る所に接骨院や整骨院(柔道整復師が働いている施設)があったわけではなく柔道整復師の数が少なく、開業さえしてしまえば誰でも年収数千万円(3000万以上とも)は当たり前、高級車に乗り放題と言われていたからです。少々お金を積んでも将来の高給が約束されていたからに他なりません。

 私は中学から柔道をしていて高校が柔道の強豪校であったこともあり運良く(?)柔道整復師の養成学校に入学できました。柔道整復師は名前の通り柔道関係者が多かったことから強豪校に在籍していた私は推薦をもらうことができました(お金は必要でしたが。。。笑)。
 当時は推薦を得ることすら困難な状況で、専門学校の入試倍率は5〜10倍は当たり前のようにあったと聞いています。医師を目指すほど勉強を頑張らなくても資格が取れて、しかも医師の半分の期間(3年)で資格が取得でき高年収が得られるというまさに夢のような資格が柔道整復師だったのです。

 そして仙台にある柔道整復師専門学校に入学し、大した努力もせずに3年間を専門学校で過ごし、めでたく1回で国家試験に合格して柔道整復師としてのキャリアを過ごすことになりました。今から26年前のことです。 

柔道整復師とは

ここで柔道整復師という国家資格について説明したいと思います。

柔道整復師とは「柔道整復師法」という日本の法律で資格が保証されている立派な国家資格です。
一応、医療系国家資格の一種と考えられている資格なので資格の発行者も厚生労働大臣です。

では柔道整復師は何ができるのか?

法律の文章をそのままで言うと「柔道整復術」ができるのが柔道整復師です!笑
柔道整復術ってなんだよ!ってなりますよね。

 柔道整復術はもともと江戸時代ごろに武術や柔術で怪我をした時の手当方法が中国から伝わったのが起源とされています。その後、柔術が柔道になり柔道の練習で怪我をしたときの処置方法が柔道整復術と言われるようになったのです。その柔道整復術の専門家が柔道整復師なのですね。したがって柔道整復術は柔道でよく起こる怪我、骨折や脱臼、打撲や捻挫の処置をする専門家というわけです。

 養成学校では柔道整復師になるために骨折や脱臼、打撲、捻挫の処置方法と解剖学や生理学などの基礎医学を学ぶことになります。医師のように投薬法や手術法などについては一切学びません。また現在接骨院や整骨院で普通に行っている骨盤矯正法やマッサージ法などにつては骨折等の処置とは一切関係ないのでこれらも専門学校で学ぶことはありません。

 柔道整復師は基本的に接骨院(整骨院)という施設で働くのが一般的とされていますが、接骨院の社会的役割は手術や投薬を必要としない骨折、脱臼、打撲、捻挫の処置をするところになります。

 現在のように肩こりや慢性腰痛、骨盤矯正などを行っているのは本来の柔道整復師の業務とはかけ離れている業務内容であり、柔道整復術ではありません。

柔道整復師が高給取りだったカラクリ

  前述(柔道整復師になるまで)で話した通り柔道整復師は高給が約束されたハイレベル国家資格でした。

 なぜ医師でもなく、業務範囲も骨折処置等と限られた狭い範囲でしか許されていない柔道整復師が数千万という高年収を手に入れることができたのでしょうか?

 それは、受領委任払いという特殊な保険の取り扱い方法と独立開業権が柔道整復師に認められていたからです。
 『受領委任払い』の詳しい解説はここでは避けますが、簡単に説明すると柔道整復師の場合、骨折と脱臼に関しては医師の指示があれば、捻挫や打撲またはそれに属するような筋肉の損傷(筋挫傷)であれば医師の指示なしで柔道整復師が独自の判断で病院とほとんど同じような保険の取り扱いが認められる制度です。

 柔道整復師は捻挫や打撲、筋挫傷については医師を介さないでも独自に判断して施術(治療行為)を行い、保険も適応できるということなのです。しかしその他の怪我や疾患については保険は使えないし施術行為も認められていません。

 が、しかし!このシステムに柔道整復師が荒稼ぎできるカラクリが隠されています

 独断で捻挫や打撲の保険施術ができるということは、接骨院に来院した患者さんが捻挫なのかその他の疾患や怪我なのかを判断しなければなりません。そして接骨院には医師はいませんのでその判断は柔道整復師自身が行うことになります。患者側が単なる肩こりが辛くて来院したとしても柔道整復師が肩こりではなく『これは肩の捻挫だ』と判断してしまえば、「肩こり」ではなく「肩の捻挫」になってしまうのです。

 簡単な話、接骨院に来院した人の症状をすべて柔道整復師が保険適応にできる捻挫や打撲にしてしまえば、どんな症状の疾患や怪我も病院と同じように保険が適応でき患者側は保険割合分の低額で施術を受けることが可能になります。この方法で柔道整復師は本来保険が使えない肩こりや慢性的な腰痛も捻挫などとして扱って、通常のマッサージ店ではあり得ないほどの低額でマッサージを行い患者(お客?)を増やしていき収益を上げることができるのです。

 当然これは、保険金詐欺の犯罪行為です。

 しかし患者側は直接被害を受けることがないので詐欺事件として発覚する可能性は極めて低く、柔道整復師側は無茶苦茶な保険請求をして荒稼ぎをしてもバレないのです。

 柔道整復師は長年この犯罪方法で開業さえすれば莫大な利益が転がり込むようなシステムを構築していたったのです。むりやり保険を適応させてしまえば、保険が使えないマッサージ店や整体院はたとえ腕がよくても太刀打ちできません。10分1000円のマッサージと10分100円のマッサージのどちらの方が定期的に長く通えるかを考えれば一目瞭然ですからね。

終わりの始まり

 柔道整復師が荒稼ぎできたもう一つの理由は資格自体が超レア資格でそもそも柔道整復師の人数が少なかったことが上げられます。

 肩こりや腰痛で苦しみ、少し揉んだもらいたいと思った場合、マッサージで1回で5〜6千円払うのは高すぎるとななれば、近所の接骨院に行くことが第一選択肢になります。しかしその接骨院が近所に一軒しかなければそこの接骨院に人が集まり大きな利益を生み出せるのです。

 しかし自分のことしか考えていない柔道整復師はもっと稼ぎたいと思い始め、新たな稼ぎ手段を模索し始めました。

 私が柔道整復師となって1年目か2年目ぐらいの時だったと思います。もともと全国で14校しかなった柔道整復師養成学校が新たに増えるという情報が入りました。国の政策としては柔道整復師の養成学校を増やす計画は全く無かったようですが、一部の柔道整復師が柔道整復師の専門学校を運営すれば儲かることに目をつけて学校を設立しようと考えたのです。

 前述(柔道整復師になるまで)でお話した通り、当時柔道整復師の養成学校に入学するのは大変でした。また当時3年間の学費が総額で500万〜800万程度であったと記憶しております。学費以外にも推薦金が必要だったりととにかく柔道整復師になるためにはお金も大変だったのです。(高卒の僕にはそんなお金は当然用意できませんでしたから、両親には本当に感謝しています。)

 学校を運営すれば更に儲かる!!!

 当時、接骨院を運営していた柔道整復師は不正で得た莫大な利益を学校運営に注ぎ込み始めました。国としては当初この動きに対して反対していましたが、柔道整復師側は「職業選択の自由」をたてにして国に裁判を起こし、見事に勝訴したのです。

 それから全国の柔道整復師達が我先にと学校運営に乗り出しました。学校法人の設立や学校を建てるのには数億円規模のお金がかかるのですが、瞬く間に柔道整復師の養成学校は全国14校から100校を超える規模になったのです。

 それが終わりの始まりでした。

 柔道整復師の資格が現在の国家試験制度(国家試験制度の前は県知事免許でした。)になって今年で31回目の国家試験になるのですが、第1回目の国家試験合格者が963人だったの対して学校が乱立してからは1回の国家試験で最大5570名(第18回)の合格者を輩出し、平均しても近年は3000名から4000名の合格者を毎年をだしているのです。

そうなると・・・

当然、需要と供給のバランスが崩れだします。

 柔道整復師の数が増えてくれば当然、接骨院の数も増えていきます。その結果、売上が下がる接骨院も出始めます。そうなると売上を上げるべく、今まで以上に悪質な不正を行う輩が増えていきました。

 さらに、20年ほど前までは接骨院といえば高齢者の溜まり場としての役割がありました。高齢者が接骨院でやらなくてもいい電気治療やマッサージベッドに寝転がり近所のおじいちゃん、おばあちゃん達がおしゃべりを楽しむ憩いの場となっていたのです。当然、高齢者に対しても不正請求をしていたので、高齢者からしてみると数百円で電気治療やマッサージベッドに乗り放題、しかも時間だけは無駄に弄んでいるので毎日のように接骨院に通っていたのです。通えば通うほど接骨院は保険料で儲かる仕組みです。それが国の政策で老人介護に力を入れ始めたため、高齢者の憩いの場が接骨院からデイサービスセンターなどに移り変わっていきました。これは接骨院経営に大きな打撃となったのはいうまでもありません。

 接骨院業界にオワコン化はこれだけではありません。売上減少から無茶な不正を続ければ当然、行政や保険者も黙ってみているわけではありません。今までは小さな業界のささやかな不正(国の予算規模としては)として見て見ぬふりしてきた行政や保険者側がいよいよこれ以上の不正は許さないと対策に乗り出したのです。年々増える柔道整復師と接骨院、そうなれば不正の総額も当然上がっていきます。当然の結果のように柔道整復師の不正に対する取り締まりが厳しくなり徐々に不正をしにくくなるようなルール作りがされていき、柔道整復師の平均年収は徐々に減少していきました。それでも不正請求はなくなりませんが。。。。

ハングリー精神旺盛な柔道整復師

 自滅して行きながら衰退していく柔道整復師ですが、もともと柔道整復師という人種は他人のことより自分さえ儲かればいいと考えている輩が多い業界です!

 柔道整復師は追い詰められていけばいくほど、倫理観や人権など関係なく、ただただ稼ぐ方法を考えていきます!!(笑)それに長年の不正請求で溜め込んだ軍資金はたんまりとあります。次に新たに稼ぐ手段として専門学校を卒業したばかりの若い柔道整復師を「生贄」としたビジネスモデルが作り出されました。

 そのカラクリは?

 収入が減少した接骨院が減少した収入分を補うために多店舗経営を行い、複数の院から売上を吸い取り今まで以上の収入を得ようと考えだしたのです。業界内ではグループ院経営などと言われています。
 いままで1院で月収300万だったのが業界の衰退で月収100万まで減少したとして、減ってしまった200万を補うために接骨院を5店舗経営すればトータルで月収500万にすることが可能となり以前よりも儲かるのです。

 しかしそのためには、多くの従業員を雇う必要があります。しかも国家資格を持った柔道整復師が必要となるのです。そこで若い柔道整復師を誑かし新卒を雇って奴隷のように働かすシステムが確立されていったのです。

 どうやって誑かすのかというと実にシンプルでもともと柔道整復師は高収入資格だったので「うちの院で働けば、他院より儲かる方法教えるよ」「うちの院のやり方で独立すれば将来は間違いなく高給取りだよ」だから今は低収入でも我慢してね。という感じです。

 しかし業界はすでに低迷しています。低収入で働かされるだけ働かされ、しかも不正請求までさせられて儲かると言われた方法も不正請求の手口を教えられるだけです。当然以前のような派手な不正はリスクが高いので、独立開業する前に業界を去る柔道整復師が増えていきました。しかしグループ院経営者は次から次に専門学校から卒業してくる柔道整復師を入社させれば無限ループの完成です。なにせ、柔道整復の養成学校は全国に100校近くありますので。

 この完璧とも思われる無限ループにもほころびがここ数年出始めています。流石に世間が柔道整復師の不正に少しづつ気づき始めたのです。そうなると当然、柔道整復師を志す人間も減っていきます。ここ数年で養成学校の学生数が減ってきていると言われています。昨年は柔道整復師国家試験問題漏洩事件なども起きて業界に対するイメージは更に悪くなっているので、この傾向はしばらく続くと考えられます。そうなるとグループ院経営は人手不足で苦しくなります。最近はホワイト企業を名乗るグループ院も増えてきました。柔道整復業界にもようやく働き方改革の波がやってきたのですね(笑)。しかし不正請求はまだまだ根が深く行っているところが多いようですが。。。。

私の場合

私は、柔道整復師の資格を取得してから26年、柔道整復専科教員の資格を取得してから21年のキャリアがある業界にどっぷり浸かった業界を知り尽くした男です(笑)。

 26年前、私は仙台の専門学校を卒業してからグループ院経営の先駆けともいえる数店舗の接骨院を経営している接骨院の会社に入社しました。初任給は手取りで12万程度だった思います。休みは月5日で朝8時から夜は早い時で21時ごろ、遅い時は23時〜1時ごろまで働いていました。属にいうブラック企業というやつですね!(笑)

 仕事内容はもちろん不正請求がメインでした。当時働いていた接骨院には骨折や脱臼の患者さんは1年通して数人しか来ず、捻挫や挫傷の患者さんも月に数人程度で1日に40人〜50人程度の患者さんが来院していたのですが、その殆どは慢性的な肩こりや腰痛の方でした。その患者さんのほとんど全てを保険適応させていましたので現場で働いていた私のマインドは不正請求は当たり前で悪いことをしているという認識はほとんどありませんでした。

 その考えが一変したのが、働き初めて2年目のことでした。分院長として新たな院の責任者をやることになったのです。柔道整復師としてのキャリアは1年しかなく、しかも柔道整復師として本来の仕事である骨折や脱臼などは治したこともない状態で責任者に任命されました。更に業務内容の殆どは私の免許を使っての不正請求。その割に給料は2万円程度上がっただけです。一応歩合制度もありましたがそれも良くて月に数万円(2〜3万)程度でした。

 分院長になった最初の1〜2年はそれでも将来の為に頑張ろうと思っていたのですが、徐々に不正請求を続けることが怖くなっていきました。「いつかバレて捕まるのではないのか?」「自分の免許が取り消されるのではないのか?」そんなことを日々思い始めました。

 分院長になって3年程度が経過したある日、社長(もちろん柔道整復師)が専門学校経営を行うと言い始めたのです。私はこの話に乗っかることにしました。專門学校の教員になれば、自分の免許を使って不正請求をしなくてすむと考えたからです。

専門学校教員として

 当時、専門学校教員になるためには柔道整復專門の教員免許(専科教員)を取得する必要があったのですが、免許をとるために必要な講習会は人数制限があり半年間継続しての受講が必要でした。講習会参加人数は1年で30名程度の人数制限のため、なかなか講習会にも参加できなかったのですが、社長のコネも利用してなんとか講習に参加することができ、教員資格試験も国家試験の時とは違い(笑)、真剣に勉強に取り組んだので見事に合格することができました。

 その後教員としてのキャリアを歩み始めたのですが、入学希望者に不正請求で儲けている業界であるとは口が裂けても言えません。さらに入学希望者の多くは柔道整復師は「肩こりや腰痛のマッサージをする先生」と思って入学してくるので入学が確定して入学金や学費が支払われるまではオブラートに不正請求の事実を隠して入学後に肩こりや骨盤矯正の勉強は一切いたしません!というような詐欺まがいの学生募集を行ってきました。

専門学校での数々の不正行為については過去に多くのグログを書いているのでぜひご覧ください!

最後に

現在の私は不正や詐欺行為とは一切の縁を切り保険を使わない整体とプライベートジムのトレーナーをおこなっております。興味がございましいたらホームページをご覧ください。

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